【プレスリリース】VEXロボティクス世界大会 2024 成果報告
日本代表チーム「Peppooo Paradise」
日本トップの小学生チームがVEX世界大会に出場
日本代表チームのひとつ、小中学生部門の「VIQRC」に参加したチーム「Peppooo Paradise」は、東京都の八王子市立宮上小学校(みやかみしょうがっこう)で2021年に設立されたサンエイロボティクス(三英株式会社の事業ブランド)公認VEXクラブ「みやかみVEXクラブ」に所属しています。メンバーは、小学6年生の青井創(あおいそう)君と清田隆士郎(きよたりゅうしろう)君、5年生の尾花凜隼(おばなりんと)君の3人。※2023年3月時点
VEXは、毎年5月からが新シーズンとなり、年ごとに競技テーマが異なります。「みやかみVEXクラブ」でも、シーズンにあわせて毎年チームを編成し、「Peppooo Paradise」は2023-2024シーズンの大会に向けて新たに結成されました。メンバーのうち、青井君と清田君の2人は、過去に開催された世界大会に出場した実績があります。
クラブに参加する以前は、プログラミングの経験のない3人でしたが、ロボットに興味をもち、それぞれ4年生から参加しました。3人の得意分野を生かし、ロボット制作、操縦とデザイン、プログラミングといった役割を分担し、意見を交わしながら進めてきました。
結成後は順調に好成績を重ね、その年の日本での大会で常に1位を守り続けた強豪チームとして、2024年3月に開催された日本代表決定戦で日本代表チームに選出されました。
八王子市の小学校から誕生した「みやかみVEXクラブ」
3人が所属する「みやかみVEXクラブ」が設立されたのは、2019年からVEXの大会に出場していた同校の卒業生の活躍がきっかけでした。2021年、宮上小学校の空き教室となっていたPC教室を利用し、保護者が運営する団体として、みやかみVEXクラブは活動をスタートしました。
初年度は、校内で開催されたVEX体験会で興味をもった4年生と5年生が10人ほど参加し、週1回の活動を行ってきました。2023年2月には、東京都教育委員会と八王子市教育委員会から「地道な活動を継続的に行い、他の児童・生徒等の範となる者」として表彰されました。
世界の強豪が集う「2024 VEX Robotics World Championship」へ参戦
2024年5月、「Peppooo Paradise」は、VEXの国際大会「2024 VEX Robotics World Championship」に挑みました。1万人の観客が見守る開会式に堂々と登場し、「ドラゴンボール」の有名な技「かめはめ波」のポーズを披露して会場を湧かせました。
「2024 VEX Robotics World Championship」は年齢などの部門ごとに行われ、数日間にわたって開催されます。Peppooo Paradiseが出場した小中学生対象の「VIQRC」部門は、開会式を含め計3日間。試合期間中、各チームの本拠地となるピットでは、作戦会議や他チームとの交流の場所にもなっています。さまざまな国のチームと、用意していたチームのステッカーや国ごとのお土産を交換し合い、Peppooo Paradiseのメンバーは身振りを交えた英語でコミュニケーションを取りました。
VIQRCの試合は、他チームと協力し「アライアンスチーム」として戦う「チームワークチャレンジ」と、ロボットの性能や操縦スキル、プログラミングによって戦う「スキルスチャレンジ」の2種類があります。「チームワークチャレンジ」は大会当日に組むチームが発表され、限られた時間の中で作戦会議を行う必要があります。Peppooo Paradiseのメンバーは、持っている英語力を最大限発揮し、一生懸命相手チームと作戦を練りました。
大会は「ディビジョン」と呼ばれるブロックごとに試合を行い、各ディビジョンの上位20位までがブロック決勝戦「ディビジョンファイナル」に進出できます。
「絶対にディビジョン20位に入る!」という目標を掲げていたPeppooo Paradiseでしたが、最終的に22位となり、惜しくも決勝戦進出には至りませんでした。しかし、「ロボットのデザインも操縦も桁違い」という世界のトップレベルの技術を間近で見た体験や、世界中のチームとの親交などから、多くの成果を得ることができました。
「Peppooo Paradise」メンバーからのコメント
「VEXは、『やってみたい』と思ったことを、簡単にできるわけできありません。たくさん試行錯誤して、創意工夫してやっていくのが楽しいし、それを大切にしていきたいと思います」(青井創君)
「これまでVEXをやってきて、すごく楽しかったです。難しいところもあるけれど、他のチームの人とコミュニケーション取ることなど、役立つことも沢山あったので、VEXをやって良かったです」(清田隆士郎君)
「世界大会はこれまで見学に来たことがありましたが、自分が選手として参加できるほうがずっと楽しいです。今年は6年生なので、新しいチームで、2024-2025の世界大会を目指したいと思います」(尾花凜隼君)
「失敗していい場所」「子どもの第三の居場所」「自分で頑張る姿を応援したくなる」子どもの挑戦を見守る保護者からの言葉
今回、「みやかみVEXクラブ」を運営する保護者の方々にもお話をうかがいました。
青井麻衣子さんは、「VEXの良いところは、いくら失敗してもいい場所だということです。いくら失敗しても、自分でどうして失敗したかを考えて、またやり直せる。ここで、たくさん失敗してほしいと思っています」と話しています。
尾花一丸さんも、「VEXは、子どもにとって、大切な時間と場所になっています。学校などのコミュニティだけではなく、世界中の人とつながる場があることは、物事を考える意味でも、とても大事だと思っています」と、クラブの存在の大切さを語ってくれました。
さらに、清田寿春さんは「高い目標をもって、自分たちの力だけで頑張っているので、親としては応援したくなります」と、子どもたちの自主性を評価。VEXを通じて感じた子どもたちの成長について、青井さんは「本人は気付いていないようですが、VEXから良い影響を受けていますね。外国の方と話す機会が増えたことで、コミュニケーションを取ることのハードルがとても低くなっていることを感じます」と話していました。
また、VEXは保護者をはじめとした様々なボランティアが参加し、活躍しているのも、ほかにない特徴のひとつです。子どものVEXがきっかけで、現在は保護者兼運営側として携わっている尾花さんは、自身の経験から、「お子さんがVEXに興味をもったら、スクールなどでぜひ一度体験してみてほしい」と話します。
「実際にやってみると、大人もとても楽しいと感じると思います。私も、ただの保護者という立場からボランティアに参加し、その後は運営側になるなど、自分自身も新しい世界が開けました。たんに『子どもにロボットプログラミングの習い事させる』という観点ではなく、VEXにはこのようなコミュニティがあることを知ってほしいです。さらにそこで活動していくと、子どもだけでなく、大人も楽しくなると強く感じています」(尾花さん)
みやかみVEXクラブ チーム「Peppooo Paradise」受賞歴と成績(2023~2024シーズン)
- 国際交流競技大会「VIQRC FULL VOLUME @ Showa Women’s University 2023」(2023年11月)
受賞:Teamwork Champion Award - 国際交流競技大会「VIQRC Japan Cup The 3rd 2023-2024」(2024年3月)
受賞:Think Award - 日本代表戦「Japan League VIQRC 2023-2024」(2023年10月~2024年3月)
受賞:Excellence Award、Teamwork Champion Award
日本代表チームに選出 - 世界大会「2024 VEX Robotics World Championship」(2024年5月)
成績:Teamwork challenge Math Division 82チーム中22位
Skills Challenge Elementary 360チーム中97位
VEXロボティクスについて
VEXロボティクスは、世界中で導入が進むSTEM教育教材のリーディングブランドです。 STEM教育(近年STEAM教育とも呼ばれる)とは、もともとは移民が多いアメリカで、幼少期のこどもたちにSTEM(科学・技術・工学・数学)への興味を育ませ、貧富、性別、人種等を問わず優秀な人材を育成するために研究された教育プログラムです。アメリカでSTEM教育が本格的に始動してから10年以上の時を経て、ロボット競技がこどもたちの学習意欲を育むだけではなく、チームワーク、リーダーシップ、コミュニケーション力、グローバリズム、プロジェクト遂行力、課題解決力、クリティカル・シンキングといった21世紀の人類に必要されるスキルを育むことができるとして、世界中の教育関係者から注目されています。
VEXロボティクスは、コンピューターサイエンスを学習の軸とし【ハードウエア・ソフトウエア・カリキュラム・競技大会】の4つの要素から構成されており、こどもたちは毎年更新される競技大会の課題を攻略するために、ロボット工学やプログラミングに取り組んでいます。
VEX Robotics World Championshipについて
「VEX Robotics World Championship」は、毎年4~5月に米国テキサス州ダラス ケイ・ベイリー・ハッチソン コンベンションセンターで開催されている、VEXの国際的な競技大会です。2024年度は、60ヵ国以上から、全部門で合計2200チーム以上が参加しました。
参加チームは、自分たちが組み立てたロボットとプログラミングで、テーマに沿った競技に挑戦します。試行錯誤の過程をノートに記録し、ジャッジと呼ばれる審査員に口頭でアピールポイントなどを説明します。また、大会当日の行動は「アティチュード」として採点の対象になります。単に、ロボット工学やプログラミングの知識だけでなく、チームワーク力や、思考力、その場での解決能力、コミュニケーション能力など、幅広い能力が問われる大会です。
また、世界各国から参加するチーム同士の交流も盛んで、国や年齢、性別を越えた子どもたちが異なる文化や考えを知るきっかけの場ともなっています。
【個別取材について】
今回、世界大会に出場したチーム「Peppooo Paradise」のメンバー、保護者、「みやかみVEXクラブ」への個別取材も受け付けております。詳しくは下記まで、お問い合わせください。
【本リリースに関するお問い合わせ先】
三英株式会社 広報担当:市川
電話:03−5280−9871
メール:s-ichikawa@sanei-corporation.jp
掲載元ページ(PR TIMES):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000078908.html